愛は惜しみなく与う【番外編】

桜さんは杏ちゃんに優しく言葉を紡いでいく。こういう桜さんの姿が、俺は好きだ


「好きなら急に気持ちを伝えたくなるよ」

「……そーなん?」

「うん!だから杏ちゃんは今まで通りでいいと思う。もし今まで通りで過ごす日々の中で、変化があって、誰かに対する想いが止まらない時は……声に出してみて」


俺は桜さんを、随分待たせてしまったんだなと、桜さんの話を聞いて思った。

俺が好きだと声に出したくなるまでずっと、待っていてくれていた人。


杏ちゃん大丈夫だよ。


泉は気が長いから


それに杏ちゃんのことが大好きだから、気持ちの無理強いもしないし、待ってくれる。


「杏ちゃんは、ずっと誰かのために自分を犠牲にしてたからさ。もう終わったんだから…少しくらい我儘に自分を甘やかしてあげていいんだよ。まだ分からないならいいじゃん。待たせときなよ」


そ!れ!に!


「ちゃんと告白して来たわけじゃないんでしょ?」


杏ちゃんが死にかけてた時って言ってたからな。それじゃあ、告白には入らない。


「あ、待って?泉があたしを好きかもってゆうの、人にゆうたらあかんかったよな?あたし…ついついゆうてもうた!」


どないしよ!
プライバシーの侵害やんな!?
杏ちゃんはそうアタフタする