愛は惜しみなく与う【番外編】


そして、全てが終わった



泉くんが、もう1人の幹部を倒して


あの子が櫻井を蹴り飛ばして


動かなかった



ハァハァと2人の息遣いだけが聞こえる



「あーー疲れた」

「はぁ。朝からするもんじゃねぇ」


そしてその場に2人とも寝転がる

こんな汚い砂埃のひどい場所で


2人だけがとても綺麗にキラキラと輝いていた。



「花江先輩、大丈夫やった?何もされてへん?」

「……うん。ありがとう」


素直にありがとうが口から出た。
素直じゃないのに。意地っ張りだと自覚しているのに、何だろう。

この子の前だと、素直に話したくなる。


つかれたーーと2人とも目を閉じて寝転ぶその側で


倒れていた男が


2人に向かって手を伸ばした




危ない


反射だった


2人とも目を閉じてるし、なんせ疲れてるし…いや、そんなのじゃなくて…



「危ない!!!」


2人を睨む男
咄嗟に


バコン



持っていた鞄を振り回した


必死だった

2人に怪我をしてほしくなかった


何より今、素直になりかけた雰囲気なんだから壊してほしくなかった。