愛は惜しみなく与う【番外編】


「桜さんに杏ちゃんが帰ってきたって話したら会いたいって言ったからさ。杏ちゃんもそろそろ落ち着いたし、誘ってみたよ」


ありがたい
あたしも会いたかったし。

こっちに戻ってきたのはクリスマス

先日、ぱぱちんの手術も終わって、あたしの中で1つ心配事が片付いた。


ようやくのほほんと過ごせそうな気がした。


けど、一つ困ってることがある



「あのさ、2人に聞いてもええ?」



最近あったこととか、みんなの話をしていた。その中で、ふと思ったんや。

あたしに女友達という友達はおらんから。誰に聞いたらええかわからんくて。

敦子や美奈子は論外

あの2人の意見は参考にならん


皐月ちゃんがこっちきた時には、話聞いてもらおうと思ったけど。

ここに適任おるやん!思ってさ!


「桜さん!!!なんで慧のこと好きになったん??」


あたしの本気の質問
あたしの勢いに桜さんは少し固まる。

いや、取って食おうとかそんなんじゃないで?勢いあったからか知らんけど、驚いてあたしから距離を取る。


「杏ちゃん?どうしたの?」


慧は苦笑いをしている。
笑えへんねん、あたしは!


「あたしは真剣やねんけど!!」


ガンと机に身体を乗り出せば2人とも目を大きくしてキョトンとした顔のまま静止。