今夜はずっと、離してあげない。





「……んぅ?」



どてっ、頭に鈍い痛みが生じたことで、覚醒した。


いたい……と床から立ち上がってハッとする。


い、今何時?!えっ、外暗いってことは、まだ朝じゃないの?!


慌てて壁にかけてある時計を見れば、短針は1を過ぎているところだった。


うわあ。初めてだよ、こんな時間に起きたの。
連日バイトがあるから早めに寝るようにしてるし。

……よし、もう一度寝よ。


いそいそと布団の中に潜り込もうとした時、扉の隙間からかすかに漏れる光に気がついた。


……あれ。まだ千住サマおきてるのかな?
でも、ご近所さんに何か言われたら嫌だからってことで、夜ふかしはしない決まりにしてたハズだけど……。千住サマが約束破るとは考えにくいし。

気になるけど、お風呂に入る前に寝たことが邪魔をして、なかなか見ようという気持ちにはなってくれない。


だって、絶対あの人怒るから。