ぐりっ、一瞬ガーゼの上からすごい力が加わった。
「っっっ、た!!」
「……あったりまえだろ?」
ワントーン低い声に、あ、これ怒ったな、と瞬時に悟る。
やばい。顔見れない。煽っておきながらなんだけど。
「俺は、お前と違って、ポンコツじゃないからな」
「いやまあ、私はポンコツですけど……」
「そこは認めんなよ」
お前と話してると気が削がれる……と、さっきとは違い、脱力気味な声音になった千住サマ。
ともかく、と目を細めた彼は、どことなく覇気がなくなった瞳で丸椅子から立ち上がった。
「次の期末で上位に入ればいーんだろ」
さっすがみんなのおかあさん。意図を読み取るのはお手のもの?
「そんなに余裕綽々で落ちたら一生の恥になりますね」
「……なあ、今日の夕飯ししゃものフライでいいか?」
「ししゃもはやめてください!!!」
私の嫌いな物攻撃はやめてほんと!!!



