今夜はずっと、離してあげない。




ため息をつくものの、伽夜は手を離そうとしない。



「……私が迷子になったの、引きずってます?」

「当たり前だ」

「わあ、即答……」



わざと戯けて言ってみせたのが、悪かったらしい。



「……なに。お前は俺を迷子になった真生を心配しない薄情な奴だとでも思ってんの?」



しまいには、ぎろりと睨まれてしまった。

あ、これ、地雷踏んだ。



「え、いや、そうは思ってないです。ただその、あれは私が全面的に悪くて、」

「……出口で待ってなかった俺が悪いだろ」

「え、え??あれはどう見ても私が悪いですよ。自覚してなかったのも悪いですし……」

「だから、俺が悪いって、」

「いやいやいや、」



なぜか頑固な伽夜に、さすがにおかしいと言い募ろうとして。



「俺がっ………、浮かれて、なんの準備もナシに出かけようって言ったから、迷子になった。だから、俺が悪い」

「………へ?」



驚くべき言葉に、言いかけた言葉がすべて塵と消えていった。