今夜はずっと、離してあげない。




事実ではあるんだけど。この場にいるカップルたちを現実に引き戻すようなことは言わないであげてほしい。

うっかり聞いちゃった人に睨まれそうだから。



「……なんか屋台で見たいのはあるか?」

「え、どうですかね……」



きょろ、屋台を見回して、ふと気づく。

首に巻いた白いマフラーに顔を埋めて、何かもうひとつくらいあげたいなあ、と改めて屋台を見渡した。



実は昨日、伽夜とほんとに街に降りてプレゼント交換をしたのだ。

私はこのマフラーをもらって、伽夜には悩んだ挙句手が荒れやすいからとハンドクリームが詰まった一式をあげた。


が、なんとなく別にもうひとつあげたい気持ちがあって、どうしようかと昨日の夜まで悩んでいたのだ。



「……あの、私、少しこのあたり見てるので、伽夜はスープもらってきてもらえますか?」

「………見たいなら俺も付き合うが」

「私が猫舌なの忘れたんですか?」

「そういやそうだったな……」