今夜はずっと、離してあげない。




ぱちくり、目を瞬いたのはほんの刹那。

瞬きをした次の瞬間には、ジト目を向けてくる真生がいた。



「……全然そうは見えませんが」

「見えてないだけだろ」

「すごーく嘘っぽいです」

「すごーく本音だわ」



真生の口調を真似して返せば、またぱちくり瞬きをして俺を見上げて。

彼女の綺麗な顔に、笑顔がのぞいた。



「ふ、っあはは!伽夜がその口調だとすごく違和感あるんですけど……っっ、」

「だろーな」



花が咲くよう、と言うよりは、雲間からのぞいた月のように、静かに淡く笑みがのる真生の笑顔に、自然と俺の顔にも微笑がのると。


パシャ。



「……ん?え、あれ、これでよかったんですかね?カメラに視線とか向けてなかったですけど……」

「まあ、いいんじゃねえの。本人がグーサイン出してるし」



シャッターを切ったカメラを両手で大事そうに持つその男性に、ふと思い立って駆け寄った。



「あの、すいません────」