今夜はずっと、離してあげない。




むにむに、ほっぺたを触って緊張をほぐしているコイツを見下ろしてるだけで、俺は笑えてくるから得してる。



「……あの、笑うならちゃんと笑ってもらえます?」

「いや、だっておま、緊張のほぐし方独特すぎんだろ……っ、」



可愛いと愛しいが釣り合って、変に笑顔がこぼれてしまう。

やっぱり俺、自分で思ってるよりもだいぶ、すげえ浮かれてるわ。



「そんなに独特じゃないです!」

「いや独特だって」

「じゃあ伽夜の緊張ほぐす方法教えてください」

「俺はそもそも緊張しない」

「なんですかその特殊体質……。切実に、それ私にもわけてほしいです……」



恨めしそうに真生に睨まれ、そうか?と一瞬思った。

緊張しないはしないで、変な誤解を生みそうな気がするが。



「まあでも、似たもの同士だから大丈夫だろ」

「え?……どのあたりのこと言ってます?」



きょと、と目を瞬く真生の額を、指先で軽く弾いた。



「俺とお前、どっちとも浮かれ者同士ってところ」