「えと、その人、違うんです。あ、や、声をかけられたことはそうなんですけど、」
「……何が違うって?」
「その人、」
俺との身長差のせいか、必死で爪先立ちして俺に耳打ちをしようとしてくるところが……、…………。
いや、やめよう。うん。言葉にしてもいいことはない。思うのは口にする時だけでじゅうぶんだ。
「なんか、すとりーとすなっぷ?撮ってる人みたいで、被写体になってくれないかって声をかけられたんです」
「……ああ、そーゆーこと」
道理で俺が来た時からしつこく言ってこないわけだ。
「……すみません。彼女さん、ひどくお綺麗で今日の被写体は彼女しかいないと思って。よければ彼氏さんもご一緒にいかかですか?」
にこり、と随分人当たりのいい笑みで微笑まれ、勘違いしていた身では少々肩身がせまい。
よって。
「……真生はどうしたい?」
「え、私に丸投げですか」
「お前の判断に任せる」



