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「……あの、今日なにか変なものでも食べました?賞味期限切れのものとか……カビが生えてる食材使った料理とか」
「それはもう腹壊す案件だろ」
キッチンで食後の飲み物を用意していれば、リビングからそれはそれは訝しげな真生の声が飛んできた。
どうやら今日一日の俺の言動が相当おかしかったらしい。それが自分のせいだとはすこしも思い当たらないところが、また氷高真生らしいというか。
「だって、そんな特殊なことがないかぎり、いつもと違うことする理由が思いつかなくて……」
「気分でまとめてくんねーの?」
「そんな不確定な何かで行動を変えるようなことを伽夜はしないでしょう?」
……まあ、基本はそうだけど。
でも、今回ばかりはあながち間違いでもない。
「別にいーだろ気にしなくて。ほら、ぬるめのコーヒー」
「あ、ありがとうござ……、……あの、このマグカップって、」
「今日買った」



