こんな思いは、コイツにしてみれば気にしなくていい、抱かなくていい気持ちなのだろう。
けれど、置いて行かれてることに、俺よりも慣れている真生を、俺はどうしたって置いていってやりたくない。
「……じゃ、このネイビーにするか」
「え?いえあの、わざわざ伽夜が私の家にあるものに合わせなくても、」
「いーんだよ。こっちのほうが、はやく馴染めそうだし」
依存と恋情は紙一重だと、よく思う。
実際、あのセンセに抱いていた思いは、恋情と似通った依存と憧れで成り立っていた。
それに気づいたのはごく最近で、それまではずっと、憧れと〝恋情〟を持っていたのだと思った。
でも、それはちがうと今ならわかる。
「……別に、好みまで寄せる必要はないですよ。そーゆーのって、これから積み重ねる時間の狭間で、ふとした瞬間にあらわれるものですし」
依存と恋情のちがいは、きっと。
ひとかけらでも。ひとつまみでも。
……相手のしあわせを、しあわせになる方法を考え、実行に移せることだ。



