今夜はずっと、離してあげない。





「これ、家にある食器と同じ種類のやつじゃないか?」

「……え?ちょっと裏側見せてください。……あ、ほんとだ」




真生も食器の裏に書かれていたロゴでわかったのか、目をちいさく見開いている。




「よくわかりましたね」

「なんとなく、模様が似通ってたから。というか、真生が使ってるのもこれと似た食器だろ。気づかなかったのか?」

「はい。私のもあかねさんが用意してくれたものだったので。私っぽいからって、新しく買ってきてくれて」




……ほんと、あのセンセは、すごい。

懐かしむように、やさしくその食器を撫でる真生の心の中には、俺がどれだけそばにいても追い越せないものがある。


それをあたえたのはあのセンセだけど、それを与えてくれたおかげで、いま俺は、真生の隣に立てている。


すこしくやしいと思うけれど、でも、同時に、つよく焦がれる。


あんな風になりたいという憧憬が。

氷高真生を支えてやりたいという思いが。

俺だけでも、コイツを置いていきたくないという決意が。