こんなふうに、当たり前のように未来の話ができるのが、すごく、すごく大切で、価値あることだというのは、随分前から知っている。
なんてことない話題で盛り上がって、わらって、その日を待ち遠しく想うことは、独りでは決して抱けなかった感情だ。
だからこそ、大切だと思う。
失いたくないと思う。
離したくないと思う。
真生の自由を守るべきだとも、意志を尊重すべきだともわかってはいるけれど、それを差し引いても、離れないでほしいと、つよく、思ってしまっている。
そんなどうにもならないことを悶々と抱えていれば、肉まんを買う時にいつも立ち寄るコンビニに着いていた。
「あの……財布を出したいので、一旦手を離してもらえればと……」
「この世には電子マネーというボタン一つで解決する決済方法があるんだよな」
スマホをゆらゆら揺らせば、アプリを入れていない真生は、くっ……と、悔しそうに俺を見上げる。
どうやら、保護者代理の人にアプリの話がまだできていないらしい。



