今夜はずっと、離してあげない。




くすくすくす、小さく笑う声は、聞いていて心地がいい。


宙ぶらりんになっていた、俺より二回りほど小さな手も背中に回されて。

やっと、あるべき状態になったみたいな、そんな安心感が俺を包む。


やっぱり、独りよがりの愛も、縛り付ける行為も、自由を奪うそれらが嫌いだったはずなのに、いつのまにか身につけてしまっている。


へへ、なんて、気が抜けたような笑い声が聞こえたから、ちらりと真生へと視線を向ければ、口角がゆるんでゆるんで緩みきっていた。

そういえば、コイツ、前に頭なでられたり、抱きしめられたりするのは、恥ずかしいけど嬉しいって言ってたっけ、なんて場違いにも思い出す。


そもそも、スキンシップが好きなタイプなんだろう。

かくいう俺も、嫌いではないけど。
好きか否かで聞かれたら、好き……とは答えるけど。


俺もいま真生みたいに顔がゆるんでんのかな、とか想像したら、きもちわるすぎたので、とりあえずキリッと顔を引き締めた。