今夜はずっと、離してあげない。




……え、ちょ、な、はい……???


思考が停止して、頭が真っ白になって、それが終わると今度はドバッと情報が流れ込み、頭がパンク、次にはショート。


ぺろりと唇から覗く赤い舌が、一瞬指に触れた時のことを思い出してしまって、もうほんと、むり。



「……まあ、味としては申し分な、」

「な、なななななにやってるんですかっっっ!!!」



ぎゃん!と吠えれば、目を丸くした伽夜がいる。

この人、やっぱり距離感おかしい!!!



「毒味したければ新しいやつ取ってください!わざわざ私の食べかけ食べなくてもいいじゃないですか!」

「わ、わるい」

「そんなに毒味したいのならどうぞ!!」




ガッと乗っていたマカロンをひとつ引っつかんで、隣にいた銀髪無神経おかあさんの口に突っ込む。

……と、同時に。



「ぅわっ、」

「ちょっ、」



足が、ずるりと滑ってしまった。