肩を落とし続ける私の頭上に、重たいため息が落とされて。
「……わかった。なら、言い方変える」
それと同時に、落ちる大きな手。
「俺が真生の作ったマカロンを食べたいから、俺も協力する」
「……そんな風に言われたら、やめられないじゃないですか」
「それ見越して言ってるからな」
ずるい……と聞こえるか聞こえないかの声量でつぶやけば、俺はお前のほうがずるいと思うけどな、なんて返された。しっかりと耳に届いていたらしい。
「とりあえず、一旦全工程やるんですよね?」
「ああ。お前の場合、一回通していたほうが、次最初からする時やりやすいだろ」
「はあ……。私、搾るのがいちばん苦手だと思うんですけど……」
「だろーな」
今回ばかりはフォローも否定の言葉もない。
どれだけ私は不器用認定されているんだろう。事実だけれど。



