今夜はずっと、離してあげない。




キッチンは粉まみれ、他にもいろんなものが飛び散っていたり。

もう悲惨というより、無惨というべきか……。



「……あの、ほんと、すみません。凛琉には悪いですけど、やっぱり市販の物を買います」



キッチンの惨状に、プラスアルファでこれを片付けるのは伽夜だという事実がのしかかる。

片付けるにしても、私は仕事を増やす気しかしない。よって何もしないほうが伽夜のためになる。


自分の不器用具合にずうううん、と落ち込んでいると、頭にぐさりと手刀が突き刺さる。




「いぅっ……!!」

「お前は約束を違えるようなことするようなやつじゃないだろ。というか、真生が家でポンコツなのは随分と前から知ってたし」

「説得力しかないお言葉で……」



けれど、迷惑をかけていることも、また事実。

それはどうやったって覆せない。