今夜はずっと、離してあげない。




「……あの、実は私、さっきから気になっていることがありまして」

「あ、それなら俺もある」



霊園から見えるイルミネーションを階段に座って見ながら、お供物として持ってきたあんまんを、ふたりで半分にして食べている。



「目を閉じてる時に、悲鳴が聞こえたのって幻聴ですかね?」

「いや、俺もかすかに聞こえた。幽霊だと勘違いされたんじゃね?」

「ギャラが出るなら幽霊として出てあげてもいいですけど……」

「やめろ。ここ管理してる人に怒られる」



こつりと軽く頭を小突かれた。


あんまんをもぐもぐしながら、やっぱり肉まんの方がすきだなあ、なんて、意味もないことを考えて。



「なんか、いまさら、気づいたことがあるんですよね」

「……へえ。何に?」


「私が、……私や、伽夜が

───── 愛してたし、愛されてたんだなあって」