ぎゅうっと、まるで私の頭を抱え込むように抱きしめて。
「─────もう、置いていかれるのだけは、ごめんだ」
囁き落とされた小さな声に、胸がきゅうっと絞られたみたいに痛くなった。
「……えっと、もし先に死んじゃったらごめんなさい」
「ほんっと空気を読まない発言に関しては一級品だよな……」
「すみません冗談です」
さすがに、こんな時に言っていいことと悪いことがあることくらいはわかってる。
「でも、生命力に関しては私の方がありそうですし、先に逝っちゃうとしたら伽夜だと思います。たぶん私が置いていかれる側ですよ」
なんの根拠も、もっと言うとこれからどんな形で一緒にいるのかもわからないのに。
ただ、なんとなく私の方が長生きしそうだなあ、と思って口にした言葉だったのに。
「……俺が、お前を置いてあの世に逝けると思うか?」
「……そっか、性格おかあさんだから何がなんでも私の死を見届けそうなのか……」
「理解がはやくて助かる」



