今夜はずっと、離してあげない。




ぎょっと目を丸くする私と、きょとりと首を傾げるお母さま。

ま、まま、まさかここで居候生活を送っていることを話すつもりなのかな?!そ、そそそれはちょっとまだ早い気が……!!


慌てて、あの!と口を挟もうとしたけど。



「氷高真生は、俺の唯一無二で、ついでに好きな奴だから。そこんとこ、勘違いのないようによろしく」


「…………え??」

「…………エッッッ!!!な、なななにそれお母さんもうちょっと詳しく聞きたい!!」

「時間オーバー。ほら真生、いくぞ。あ、母さん会計もよろしく」

「それはいいけどっっ、えっ、あ、あとで長文メール送りつけるからねっっっ!!!」



またもや耳を疑うような言葉に、もう何がなんだか訳がわからなくなってしまって。


ただ、この時はじめて無邪気な笑顔を浮かべた伽夜を見てしまったら、なぜかすべてどうでもよくなった気がした。