今夜はずっと、離してあげない。




私のつまりながらの言葉に、しばしポカンとしたお二方は。



「ふっ、んふふっ。氷高ちゃん、ほんとうに妹みたいね。不器用なお兄ちゃんにかわってしっかり物申せる頼もしい妹」

「ほんと、誰目線だよ……」



口元をすこし隠して、でも隠せていない微笑みを浮かべるお母さまと、呆れた視線と口調を向けてくる伽夜。


ゔっ、そ、それはごもっともで……。



「だ、だって、伽夜は絶対安否気にするし、何よりすごいお母さんっ子だからっだ!!!」



ずびし、頭を思いっきり突かれた。

上からずどんと一直線に。



「余計なことは言わなくてよろしい」

「す、すっっっっごい痛いんですけどいま何したんですか……」

「頭のツボ押した」

「頭にツボなんかあるんですね……」



刺された部分を押さえながら痛みに悶えていれば、くすくす笑っていたお母さまが、笑って出た涙をぬぐって。



「それもそうね。んー、せっかくだし、来年の今日、同じ時間に会わない?氷高ちゃんも一緒に」

「………え?わ、私も、ですか?」