私に感謝するのはお門違いもいいところだし、きっと、いや絶対、私は何もしていない……と思うのに。
「それでも、いまさっきあたしたち家族を繋ぎ止めたのは、氷高ちゃんよ。〝ただの〟じゃなくて、〝大事な〟きっかけなの」
そんな風に感謝されて、どんな顔をしていいのかわからなくなってしまった。
「ん、え、ええっと、あ、ありがとうございます……?」
「こちらこそ。……ところで伽夜、さっきこのあと用事があるって言ってたよね?それ、何時から?」
「詳しくは決めてないけど、あんまり遅くなる前に行きたい」
「そっか。ならもうそろそろ出た方がいいかもしれないね」
あれよあれよというまに進んでいく会話。
なんだか解散がちかづいている雰囲気。
な、なにか……、私も、何か……。
「あ、あのっ!」
「ん?どうしたの?氷高ちゃん」
「えっ、と、んんっと、ね、年に一回ぐらいは伽夜に直接会いに来てあげてくださいっ!あと、電話とか、メールとか、したら絶対よろこびますので!」



