今夜はずっと、離してあげない。




「そもそも、本当に俺に恨まれてるって思ってたなら、性格上俺に会いたいなんてメッセージ送ってこないだろ」

「そ、それは……、」



気まずげに目を逸らしながら、ごめんなさいと謝る伽夜のお母さま。



「……学校は、たのしい?友達は、できた?」

「……楽しくやってる。仲良くしたいって思える奴とも、会えたし」

「…………そっかああああ」



はああああ、と大きな安堵のため息を落とした伽夜のお母さまは、意を決したように顔を上げた。



「……あのね、伽夜。相談なんだけど、」

「断る」

「まだ何も言ってないよ?!」



フライング拒絶に、お母さまも私もびっくり仰天。


断るにしても、タイミングというものがあることをこの人もしかして知らないの?!

というか、ほんとにエスパーなのかな?!