突然笑い出した私を不思議そうな顔をして見つめるお母さまは、またため息をついた伽夜に視線を戻して。
「あの、ね、伽夜。えっと、お母さんね、」
「……ああ、いなくなった理由なら大体想像ついてるから、言わなくていい」
「え?」
続くはずだったお母さまの声は、伽夜のエスパーのような言葉に、すぐさま遮られた。
「どーせ、海外で割りのいい仕事があるって職場の人から言われたんだろ?そんで、貧乏生活脱却のため海外渡航決意したけど、行くかどうか答える締め切り日まで2人分の渡航費や生活費とかの諸々が貯まらなくて、仕方なく俺を置いて行ったってとこか?それか、海外生活に慣れない俺のためだとかいういらない気遣いが入ってたのかもしんないけど」
「え、エスパー?!」
あ、伽夜のお母さま、いつかの私とまったく同じ反応してる。
目を見開いて、しまいには口をあんぐりと開けちゃってる。どれだけ正確な推測だったんだろう?



