「……それで千井は手先が器用なの?」
「あー、その影響もあるかも。僕下に弟と妹いて、ついでに両親共働きだから、昔から料理してたし」
「えっ、下にふたりもいたの?!何歳?!」
千井は、なんだかおかあさんじゃなくてお兄さんっぽいな、なんて最近思い始めていたから、余計に食いついた。
私の勢いに、千井は面食らったように目をパチパチさせていたけど、やがて苦笑いしながら教えてくれた。
「弟は反抗期真っ只中の中1で、妹は最近周りに感化されてオシャレに目覚めたおませな小3」
「……なんとも扱いが難しそうなお年頃で……」
素直な言葉を放つと、千井はぐいっと、今まで以上にキラキラした目で早口に捲し立てた。
「ほんとそうなの!ちょっと前まで兄ちゃん兄ちゃん言って後ろについてきてた弟と妹が、急にうざいとか鬱陶しいとか暑苦しいとか言ってきてさ!!」
「それは全部同じ意味の言葉じゃない?」
千井兄妹、案外ボキャブラリーが少ないんだなあ……。



