今夜はずっと、離してあげない。




しばらくメニュー表を見ながらうんうん唸っていれば。



「千井くん、スマホありがと!」



わたわたと慌てながら、凛琉が戻ってきた。




「真生もありがと!」

「あ、うん。それは全然いいんだけど……どうしたの?そんなに急いで」

「実は、朝水くんと急遽会うことになっちゃって!待ってね、いまお金……」

「ああ、いいよ。お金は。凛琉ミルクティーしか頼んでないでしょ?」




はい、と置いてあった凛琉の鞄を押しつけて、でも、と渋る凛琉に笑って返す。




「大丈夫。なんなら千井に出してもらうし」

「マオマオはほんっと僕のこと都合のいい時に使うよね……」




じっとりとした目を向けながらも、仕方なさそうに笑う千井は、根っこがかなり優しいんだと思う。

朝水くん、もしくは伽夜以上に。




「行ってきなよ、凛琉っち」

「千井くん……」



凛琉は感激したように千井を見ていたけど。



「そのあだ名呼びはいい加減やめてね。恥ずかしい」

「……ぷっ、」

「マオマオ笑わないで!!!!」