今夜はずっと、離してあげない。







──────そう。

その時は、ああ思うほかなかったんだ。



だって、あの〝面倒くさいこと〟という言葉が、今のこんな状況に繋がるだなんて、一体誰が思うだろう。





千住サマと居候契約的なアレを一方的に破棄してから、数日。


ここ最近はずうっと雨が降り続いていて、靴下やスカートが濡れるから憂鬱な気持ちで帰路を急いでいる……の、だが。




「……………あの、すこしは感傷に浸らせてくれたりしませんかね……」





ザザアァ……と降り荒ぶ雨の中。

その人に向かって傘を傾ければ、ぽたぽたと全身から水滴が滴り落ちる。


この人は雨男か何かで??




「……氷高が感傷に浸る時とかあんの?」

「バカにしてます?そりゃありますよ。たまには。……それで、濡れ鼠になって何かいいことがあるんですか?千住伽夜サン」