自分の気持ちと、感情と向き合うことを逃げることはやめたつもりだったのに、やっぱりつもりになっていただけ。
とうに馴染んでしまった習慣は、そう簡単に消えてくれない。
けれど、向き合うことで、また、俺の帰りたい場所ができるなら。
「まあ、ちずもたまには素直になりなよ。自分の重りとか立場とか、責任とか、そーゆーの一旦置いといて。気持ちを伝えるのはタダなんだからさ」
「……後悔しないように、動いたらいいと思う」
「………、那吏がいい奴だってことは知ってたけど、まさか千井までいい奴だったとは……」
「ちずは僕のことなんだと思ってるの?!」
わからないままでいい感情も、想いも、記憶も、現実もあるかもしれない。
それでも俺は、氷高真生が帰る場所に、一緒に帰りたいから。
「氷高を悪の道に引き摺り込む警戒すべき敵」
「ちずはやっぱマオマオのおかあさんなの?!?!」
あいつのためなら、〝おかあさん〟にだってなってやる。



