今夜はずっと、離してあげない。





自分の気持ちと、感情と向き合うことを逃げることはやめたつもりだったのに、やっぱりつもりになっていただけ。


とうに馴染んでしまった習慣は、そう簡単に消えてくれない。




けれど、向き合うことで、また、俺の帰りたい場所ができるなら。




「まあ、ちずもたまには素直になりなよ。自分の重りとか立場とか、責任とか、そーゆーの一旦置いといて。気持ちを伝えるのはタダなんだからさ」

「……後悔しないように、動いたらいいと思う」

「………、那吏がいい奴だってことは知ってたけど、まさか千井までいい奴だったとは……」

「ちずは僕のことなんだと思ってるの?!」



わからないままでいい感情も、想いも、記憶も、現実もあるかもしれない。


それでも俺は、氷高真生が帰る場所に、一緒に帰りたいから。




「氷高を悪の道に引き摺り込む警戒すべき敵」

「ちずはやっぱマオマオのおかあさんなの?!?!」




あいつのためなら、〝おかあさん〟にだってなってやる。