今夜はずっと、離してあげない。





結局、俺はどこまでいっても自分と向き合うことを逃げていただけだ。


向き合ったら、もう、ダメな気がして。

ずっと、もっと、強欲に。貪欲に動いてしまう気がした。


隣にいて欲しいなんて、おこがましい言葉を吐いていたんだろう。





氷高のことは、あの時、

逢って一目見た瞬間から、似ているとは思っていた。



氷高あかねに。彼女の生き方に。




だから、氷高と一緒にいた。

何か変わるかもなんていう期待をしていたわけではない。


ただ、俺が知りたかっただけだ。

氷高あかねが過ごした場所を。過ごした時間を。……過ごした人を。



ついていった理由なんて、当初はそんなものだった。

逆に、それ以上の理由なんて存在していないはずだった。



……なのに。


氷高がただいまと言って帰ってきてくれるから、

あの場所を、俺の帰りたい場所だなんて、思ってしまった。