「……一緒にいたくないって、拒まれたから」
こばまれたくなくて、置いていかないでほしくて、ずっとずっと、氷高が望んでいたであろう〝おかあさん〟をしていた。
けれど、氷高にこばまれてしまえば、俺が氷高に縋っていい理由も、離れないでほしいという言葉を言う資格も、何もかもがなくなって。
なんて声をかけていいのか、そもそも声をかけてもいいのかすらわからなくなってしまった。
バカみたいだと思う。
臆病者みたいで、ほとほと呆れる。
けれど、それくらい。
何者にもかえられないくらいに、
─────失いたく、なかった。
悩ましげなため息をつく俺を憐れむように見下ろす千井と、何を考えているのかわからない那吏。
「……マオマオの影響力が激つよ」
「……氷高さん、に、こばまれたから、ちずはもう、隣にいることを、あきらめるんだ?」
千井の、那吏の言葉が、頭の中にかかったモヤを晴らしていくみたいだった。



