頼っていた。それはそうだと思う。
頼られていたとは、俺も感じてるから。
けれど、それは俺が居候だったからであって、ひとりの人間として、男子として頼られていたか否かであったら、それは違うだろう。
俺に頼るのは、当たり前だった。
だから、俺が氷高に対して持っていたやさしさを義務からだなんて勘違いできたのだろう。
……ずっと、あんな生活が続くのだと思っていた。
そんなわけないと、あの時、母さんが出て行った時に気づいたはずなのに、俺はまたそんな勘違いをしてしまっていた。
たった7ヶ月。それなのに。
俺の帰る場所はあそこだと、母さんが帰ってきたと知らされた今でも、愚考してしまっている。
「もー、どんなふうなこと言って、マオマオ怒らせたの?」
「……違う。ただ、俺の言葉が足りなかっただけ」
言葉足らずと自覚した中3の時から、なるべく気持ちは言葉に落としてきたはずだった。
それなのに、なぜかあの時は、何もいえなかった。
追いかけることさえ、できなかった。



