今夜はずっと、離してあげない。





「……は?」




信じられない、と言わんばかりの顔だった。

そんなわけないと。




「……な、わけ」

「あります。私と千井、話しましたから。信じられないのなら、千井に聞いてみてください」




そう言ったけど、千住サマはスマホを取り出して千井に聞くことはなく。




「ずっと、考えてました。なんであなたが、あの日、あんなベンチで夜更けを待っていたのか。なぜ、私の家に単身乗り込んできたのか。……どうして、私のところでなくてはならなかったのか」




ずっとずっと、考えていた。

……けれど、あの遊園地の日に、ぜんぶ。
全部わかった。わかってしまった。




「千住サマ。あなたは、」



茜色の夕日が、道に差す。

沈んでいく朱色が、千住サマと、そして私の背後を照らす。




「〝氷高あかね〟が私の叔母だったから、私に会いに来たんですよね」