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「……千住サマ、助けていただきありがとうございました」
目がうるうるになってしまった凛琉を朝水くんに任せて、ふたりの姿が消え去ったあとも、私たちはその場に立ち尽くしたまま。
「あの場で私がぶたれてたら、凛琉が責任感じて泣いちゃうところでした」
ごめんね、ごめん、と泣かれる姿が目に見える。
だから、あそこで現れてくれて、本当に助かった。
「ところで、千住サマは今日遅いんじゃなかったんですか?朝水くんと一緒なのも謎ですし……」
「委員の集まりが早く終わって、あとはクラスの手伝いだけだったけど、それは千井に全部押しつけてきた。那吏は早々に使い物にならない扱いされてたから」
流れで一緒に、と。
朝水くんの扱い割とひどいなあ、となんとも呑気なことを考えていたら。
すり、と頬に予想以上のあったかい温度が触れて、目を見開いた。



