今夜はずっと、離してあげない。





「でも、」

「すきじゃ、ないんだってば」




尚も食い下がろうとした私に、凛琉は遮るように言葉を重ねる。




「すきじゃないよ。だって、あんなにカッコいい人に、わたしなんか、到底好きになってもらえるわけ、ないじゃん」




無理やりつくったような笑み。
いつもより数倍弱気な言葉。

……なんだか訳アリげな、自己の過小評価。




「凛琉、」




それってさ。


続けようとした言葉は、吐き出される前に止められた。




「あっれ〜?ねえねえ、あれってさ、葉柴サンじゃない??」




目の前から歩いてきた女の子の声が、先に響いてきたから。


その声にびくりと肩を揺らした凛琉は、揺れる瞳で女の子を目に移し、固まった。

さっきの痛いところを突かれて固まったようなものではなく、たぶん、恐れで。


さっき声を上げた女の子のほかに、三人ほどお友達と見える女の子もいて、計4人の集団。


なんだか、雲行きがあやしい。