周りを見てみると、教室にはもうひとっこひとりいない状態。

どうやら帰りのHRから爆睡をかましてしまったみたい。




「凛琉に起こしてって言ったのに……」

「何度呼んでも叩いても起きないから死んだんじゃないかって慌ててた」

「この年で眠りながら死にゆくのはちょっと……」




っていうか、私そこまでされて起きないとかよっぽどなのでは?




「先生も千井も起こそうとしてたけど、最終的には全員俺に放って帰った」

「……あれ。私置いてかれてる?」




そうとも言うな、と肯定を返されれば、なんとも微妙な顔をするしか道がない。


なんとな〜く虚しい気持ちで窓の外を見つめれば、綺麗な夕日がアスファルトの向こうに沈んでいくところだった。



夕日……。そう、あの茜色の、ゆう、ひ………、………。




「ば、バイト!!!!!」




ここでようやく、バイトの存在を思い出した。