今夜はずっと、離してあげない。





「……ちょっと怒ってる、よね?」

「……すごい。マオマオがわかるなんて」

「心外な。それくらいわかるよ。声音の調子とか、あと目が笑ってないとかで」




いつもニコニコしている千井だからこそ、とも言えるけど。


いつもニコニコしている。

それはつまり、少しでも感情が動けばニコニコ笑顔が崩れるということ。


まあ、あからさまではないからパッと見はわからないけど、伊達に嫌でもここ何ヶ月か連んできていない。




「朝水くんは正直何考えてるかわかんないけど、千井の考えてることなら、少しはわかると思う」

「へえ。じゃあ僕が今考えてること当ててみて?」




ニコニコニコ。

いつも以上に深い笑み。
これは……




「わかるわけねえだろ、ばーか、的な?」

「……いやさすがにそこまでは思ってないよ」



あれ?違ったかな。
でも、顔というか、目はそんな感じだったんだけど。