今夜はずっと、離してあげない。




「あ、ごめんねマオマオ。いい?」

「どーぞ」




揺れ続けるスマホをタップして、それを耳に当てる。


どうか通話相手が千住サマでありませんようにと願いながら。




「もしもーし。どしたの、突然」




話し口調から察するに、千住サマではたぶんない。

千井なら、なーに?ちず、って開口一番言いそうだし。




「え?中学のメンツで?……えー、ちず誘うのヤダー。那吏も無理。誘いたいなら自分で誘いなよ」




じゃねー、と最後は少し鬱陶しそうにしながらスマホを切った。




「……なんか、機嫌悪い?」

「んー?そう?」




口元はうっすら口角が上がってるんだけど、目が笑っていないというか。

千住サマのガチギレした瞬間に似ている。


ちなみに、千住サマのガチギレは熱が出た後、無理に学校に行こうとした時に起こったものが最初。

それ以降ガチギレはさせないよう気をつけている。