今夜はずっと、離してあげない。






「いかないで……」

「っっっ!?」




いきなり出てきたお化けに、大袈裟なほど肩をびくつかせる千井。

同時に、手首を掴む手も強くなる。ちょっと痛い。




「千井、本当はこーゆー場所苦手?」

「いやっ、お化け目の前にいるのに何言ってんのマオマオ?!?!」

「だって、結局は仮装した人だし……」

「お化け役の人も恥を忍んでやってるんだよ?!その言い方はない!!!」




懐中電灯をカチカチさせながら言い合いをしていると、お化け役の人は行き場の無くした手を右往左往させている。




「こわいならさっさっさ〜といけばいいのに」

「だから怖くないって!!!」

「明らかにビビってる……」

「そりゃいきなり出てこられたらビックリするじゃん!それだよ!!別に怖くてびっくりしたんじゃないし!!!」

「あの、地味に傷つくんでやめてもらっていいですか……」