真っ当なことを言ったと思うのに、なぜか千井はじっとりとした目でゆるく睨んできた。なぜ?
「はあ……。マオマオ、鉄壁ガードすぎてこわ」
「鉄壁……?」
「もう、いくよ。あの二人だけがイチャコラしてんのなんか嫌だし」
頭に被せていたタオルを取り払って私の腕を掴むと、ずんずん歩き出してしまう。
「えっ、体調は?」
「なんかムカつきで大丈夫になった」
「ええー……」
そんなことある?と思いながらも、さっきよりは顔色はよくなっている、と思う。たぶん。
そんな千井は勢いよく振り向いて、ニッコリ笑顔で聞いてくる。
「マオマオ、お化け屋敷いく?」
「いくに決まってる」
「ジェットコースターに乗った時より目キラキラしてない?」
そう言って笑った千井は、結構、楽しそうだった。



