「ゔ、っ」
「大丈夫?」
「ゔぅっ、ごめ〜んマオマオ〜!!僕のことは置いて先に行って……」
「うんわかったじゃあ凛琉たちのところに行くね」
「それは薄情すぎやしない?!」
悲痛な声に、冗談だよ、と浮かせかけていた腰をすとんと下ろす。
隣では、珍しくぐったりとした千井の姿が。
ジェットコースターに乗った結果。
私、正常。凛琉、正常。朝水くん、絶好調。
そして、千井は……絶不調。
なんともまあ予想外の人物がノックアウトした。
逆に、朝水くんのお気に召したらしく、つい先程凛琉とふたりでジェットコースターめぐりに出発してしまった。
「まさか千井が三半規管弱いとは……。てっきり朝水くんあたりがダウンすると思ってた」
「僕もそう思ってたよ……」
どうやらご本人にとっても予想外のことだったらしい。
「っていうか、なんでマオマオ、僕を誘ったの……?ちずの方が仲良いじゃん。親子みたいで」
「親子……」