言い回しがよくわからなくて眉を寄せていれば、オーナーから私の名前と先輩の名前が呼ばれた。
たぶん、お店が回らなくなったんだろう。
お昼時は結構お客さん多いから。
「もうっ、まだお昼食べ終わってないのに」
「先輩は私の盗ってるだけですよね?」
「よーしバイトがんばるぞー!!」
思いっきりはぐらかした先輩は、手を洗うとバタバタと休憩室を出て行った。
そんな先輩の後ろ姿を呆れながら見ていれば、机に置いていたスマホがブブッ、と揺れた。
画面を見てみれば、〝千住伽夜〟からのメッセージが一件表示されていて。
ぽん、とそれをタップすれば、現れるトーク画面。
[今日、あんまり遅くなるなよ]
この後の予定を知っているからか、そう念押しする千住サマ。
「はいはい、わかってますよ、と」
了解、と返信して、スマホをポケットにしまった。