今夜はずっと、離してあげない。




お粥をちびちび食べていたら、ぴぴっ、と電子音が鳴る。




「37.8……。微熱だな」

「なつかぜって、びねつぐらいしかでないんだって。かわりに、咳とか、のどのいたみとか、2、3日続くっていわれた。けほっ、」

「頻繁にひくのか?」

「……ん。年に2、3回」




ひとりでいるようになった一昨年の夏は、ひとりでひく風邪にどう対処していいのかわからず、大家さんに面倒を見てもらった。

去年の夏は、自然とああ、夏風邪だなって何年もの間で培われた勘が働いてくれたおかげで、ひどくなる前に風邪対策の準備が出来たから、大事にはいたらなかった。



……でも、今年は、ひさしぶりに、家にだれかがいる。

自分のことを、気後れひとつもなく、まかせられる人が。


大家さんに見てもらっていた時は、必死でだいじょうぶですって言い聞かせていた。

相手にも、自分にも。