今夜はずっと、離してあげない。




いつもより、歩くのがゆったりだった。

時々土日に食事や日用品の買い出しに行く時は、やっぱりペースを合わせていてくれるけど、今日はそれよりも、ゆっくり。


わたしの歩くペースを、わざとゆったりに落としているみたいに。



掴まれている腕は、毛布に包まれているように、ふんわりとした力しか込められていない。

けど、前じゃなくて隣を歩いていることから、気遣ってくれているのがよくわかる。


……きをつかわせたくなかったから、きづかれたくなかったのに、な。

ぜんぶ、みずのあわか。




「……なんで、こんなに早く待ってたんですか」

「勘」




夜の沈黙にたえきれず、話しかけても一言で返されて強制終了。


もう喋るな、って圧が重い。体のだるさより重いかもしれない。