「なん、げほっ、で、きづいたんですか、」
「お前、今日昼休みに千井と一緒にいた時、咳ごまかすために咳払いしたろ。ほら、マスク」
言いながら、ポケットから袋に入ったマスクを渡される。
それ、きづいた理由になってないですよ、なんて言う気力は残ってなくて。
……なんで、そんなことに、きづくの?
一緒にいた千井も、一日そばにいた凛琉でさえきづかなかったのに。
「……ありが、とう、ございます」
「ん、」
たぶん、見る目がいいというか、観察眼にたけてるだけなんだろうな。
わたしだから、じゃない。
……こんな千住サマのことだから、きっと、すきになった人も、さぞかしいい人だったんだろう。
この人がすきになった人、もしくは、これからすきになる人は、いったいどこのだれなんだろうか。
……なんて、どーしようもないことを考えてしまうくらいには、頭がぽやぽやしてきている。ほんと、今回は結構重症。



