「ひゃっ!わっ、千瀬か……」

 ビックリした……。

「もう、驚かせないでよ……」

 ビックリし過ぎて、心臓がバクバク言っている。

「だ、誰だよ!お前!」

 急に、クラスの男の子が千瀬にそう言った。

「あ"?俺は別にお前に用なんてねぇんだよ」

 1オクターブ下がった千瀬の声にビクッとする。

「な、なんだよっ!」


 すると他の男の子が千瀬に向かってそう言った。

 教室が、静かになり、怯えている気がした。

「結輝ぃ……仕事頑張ったよぉ……」

「ふふっ。よくできました!」

 そう言って、私は千瀬の頭を優しく撫でた。

「ゆ、結輝センセイ、ソノヒト、ダレ……?」

 あ、まぁそうなるよね……。


 さすがに千瀬の顔出しとなると、面倒くさくなるので、千瀬の手を取り、自分の薬指と千瀬の薬指を同時に見せた。

 すると、左賀美先生以外は、全員

「は?」
「え?」

 という顔をしていた。

 まぁ、そうですよね。