「いい?さっさと先生を務める事、ほら、早く!」

 ううっ……。

 絶対嫌がらせですよね……。

「わかりました。受けて経ちましょう。」



 確か、1年生の勉強は1番覚えている。

 ……千瀬との思い出が1番強いから……。

「結輝ちゃん、無理しなくていいのよ?」

「いいえ、大丈夫です!」

「へー言うねぇ」

 真紀と言う子はそう言った。

「えーでは、まず教科書63ページを開いてください」

 パラパラとみんながページをめくる音が教室に響く。

「はい、まず丸1番の問題の式を答えてください」

 バサッと手が上がり、答えを言ってくれた、男の子。

「正解です!よくできましたね!」

 私は、優しく微笑む。

 すると、周りがザワザワし始めて、顔を赤く染める男の子達。

 すっかりハテナマークが浮かび上がるばかりだが、授業を続ける。

 やっていた単げんがたまたま、千瀬に教えてもらったところだったので、記憶に残っている。

「えっと、先程言ってくれたように、この式はこの公式を使って解きます。」


 それから、数学の授業を終えて、休み時間が来た。

「ゆ、結輝ちゃんすごいわねぇ!さすが優等生!」

「そ、そんな事ないですよ!千瀬に教えてもらった事だったので!」

 それから先生にたくさん褒められた。

 けど、真紀ちゃんは、よく思っていなかったらしい。

 機嫌が悪くなっているご様子。

 少し怯えながらも、他の生徒さん達にも褒められた。

 嬉しくて、思わずたくさんの笑みが漏れた!