「え?……頑張って!」

「ヤダよぉ……。あ!でも、ご褒美くれるなら頑張る」

「え?あ、う、うんっ……」

 ヤバイ、顔が赤くなっちゃった……!

「わかった。ナデナデして?そしたら頑張ってくる」

「ふふっ。うん!」

 先生は、ニコニコと微笑みながら暖かく見守ってくれていた。

 そして、私は千瀬を撫でてあげた。

 千瀬は笑みを見せ、仕事に行ってしまった。

 そして、先生の運ばなきゃいけないモノを、教室まで運ぶ。


 ガラガラッと少し古びた教室のドアを開ける。

 すると、案の定、先生のクラスだから、楽しげな雰囲気と言うのはわかっていたんだけれど、どうやら少し超えていてしまったらしい。

「えっ?可愛い子来たじゃん。」

「うゎっ。本当だ!ねぇねぇ名前なにぃ?」

 金髪と茶髪の男の子達に話しかけられる。

「た、高嶺結輝ですっ……」

「へー?」

 興味無さそうにそう言った男の子達。

「結輝ちゃん、お運びありがとう、もう大丈夫よ」

「あ、はい」

「結輝ちゃん、あの、良ければ連絡先交換しないかしら?今度ユックリお話がしたいわ」

「はい!私もです!」

 その後、メールアドレスを交換した。

 そして私は、

「ありがとうございました」

と言って教室を出ようとする。


 けど、ギュッと後ろから服の裾を掴まれた。

 後ろを見てみると、ヘラヘラして、いかにバカにしてるだろう顔をしている女の子だった。

「アンタ、ちょっと授業してよね?」

「え?わ、私は、左賀美先生のお手伝いをしただけで……!」

「いーじゃないの。ほら、早く」

 私は、乱暴に押されて、黒板にぶつかりそうになる。

「結輝ちゃん!?」

 先生が心配して、私に駆け寄って来てくれる。

「は、はい……」

「おい!真紀!ヒドイだろ!」

「うるっさいわね!」

 う、うゎっ……怖い……。