「はいはいじゃあ行くよ」

 千瀬は、そう言って私の手を引いた。

「えへへっ。ありがと、千瀬」

 ハートマークをつけるように私はそう言って、千瀬に微笑んだ。

 優しく微笑み返してくれる千瀬の頬は、ほんのり赤く染まっていたのでした。




 ……数分経ち、学校の目の前に着く。

「うゎぁっ……!」

 久しぶりに見る学校は、前と変わる事はなかった。

 だけど、逆にそれの方が嬉しい。

『私達の知る、学校だから』