「ええっ!?幸くん……!?」

 そりゃ、そうなるよな。

「七海の今の言葉で、なんか俺、七海が気になるようになって来た。」
                    
「七海、俺と付き合って」

「ええっと!?」



 そして結輝達が屋上から出て行った。


「は、はい……!?」

「ごめん。好きでもな———」

「ううん。幸くんは、頑張ったよ!私、ちょっとだけ幸くん気になり始めてたってわかってたから……抑えてたけど……お互いに、埋め合おう?失恋した事を」

 俺は、「ありがとう」と言いながら七海に抱きついた。

 すると七海は「よしよし」と言って優しく背中を撫でてくれた。


「これからよろしく」

「こちらこそよろしく」


 そう言い合った俺達からは、少しずつ“幸せ”と言う感情が浮かび出てたのなんて、気づきもしなかった。